こんな症状はありませんか
- 咳
- 呼吸が速い
- 疲れやすい
- ふらつく
- お腹が張っている
- チアノーゼ
- 口を開けて呼吸する(猫)
循環器科の病気について
●ワンちゃんで多い循環器科疾患
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僧帽弁閉鎖不全
僧帽弁閉鎖不全は、心臓が収縮するときに僧帽(そうぼう)弁がきちんと閉鎖しない病気です。心臓は4つの部屋に分かれており、この中の左心室と左心房という部屋を区切っている2枚の薄い弁が僧帽弁です。
犬の僧帽弁閉鎖不全は、中高齢の小型犬がかかりやすいと言われています。7歳ごろから罹患率が増えてきて、8歳以上では約30%、10歳以上では約50%以上というデータがあります。
初期では症状がまったく見られず、進行すると、咳、呼吸困難、運動不耐性、失神などの症状が見られます。
レントゲンや心臓エコー検査、血液検査で診断します。
この病気が確認されると内服薬を処方されます。
●ネコちゃんで多い循環器科疾患
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心筋症(肥大型・拘束型・拡張型)
心臓はその大部分が心筋と呼ばれる筋肉で構成されています。この心筋に異常が生じることで、血液を循環させるポンプとして機能が損なわれてしまうのが心筋症です。血液の循環が悪くなることで全身的に様々な障害が生じたり、突然死を起こすこともある病気です。
ネコちゃんの心筋症は原因によって肥大型・拘束型・拡張型の3種のタイプに分かれます。
心臓の中で血栓が発生し、血管につまることで、手足の麻痺がおこることもあります。
ネコちゃんは心臓病でも心雑音がないこともあり、レントゲンや心臓エコー、血液検査での診断が必要になります。
当院の循環器科疾患の診断
身体検査
呼吸の観察、粘膜の色を観察、心臓の音や肺の音を聴診します。
血液検査
循環器疾患以外の病気をがないか、心臓へ影響を与えるホルモン異常がないかなどを調べます。BNP(心臓病マーカー)を測定することで心臓への負荷を測定できます。
胸部レントゲン検査
心臓の拡大や、胸水貯留がないか、肺の状態や、腫瘍性病変がないか等を確認します。
胸部エコー検査
心臓内を観察し、心臓弁に病変がないかどうか、生まれつきの異常がないかなどを確認します。
心臓の中を流れる血液のスピードを測り、病気の重症度や心臓への負荷程度を判断します。
血圧検査
血圧に異常がないかを確認し、診断・治療の一助とします。
心電図検査
心臓の負荷を測定したり、不整脈の有無を確認したりします。
当院の循環器科治療の流れ
当院ではしっかりと問診と身体検査を行い、飼い主様の不安と疑問が解消できてからの処置となります。
少しでも不安や疑問がある場合は何でも聞いて下さい。解決できるまで何度でも説明します!
1 初めての来院時
まずは問診をします。 循環器疾患は、犬種・猫種、年齢などによって、なりやすい病気があります。循環器以外の疾患で似たような症状が出ることもあるので、その可能性も考えていきます。
2 検査
問診により、疾患にあたりを付け、血液検査・レントゲン検査・エコー検査・心電図検査・血圧検査など必要な検査を行います。
3 治療
検査によって診断が付くと治療に移ります。
内科療法をメインに、疾患の種類によって、主に血管拡張薬、強心薬、利尿薬、血栓予防薬などを使用します。疾患によっては、複数の治療法を合わせて行います。食事やサプリメントで管理できる場合もあります。