こんな症状はありませんか
- しこり、イボ
- 元気、食欲がなくなってきた
- 体重の減少
- 呼吸困難、咳が出る
- 鼻血、くしゃみ、いびき
- 嘔吐、下痢、便秘
- 頻尿、血尿
- 体や足の痛み、ふらつき
- 多飲多尿
上記の症状に心当たりがある場合は愛犬、愛猫が腫瘍疾患にかかっている可能性がございます。
腫瘍科の病気について
腫瘍には良性と悪性のものがあり、悪性の腫瘍を「ガン」と呼びます。
ガンは細胞の異常増殖によっておこる病気で、犬や猫も人間と同じようにガンになります。
また、ガンは犬猫共に、最も多い死因の1つとなっています。
これは獣医療の進歩や、飼育環境が改善していることで長生きをする子が多くなったことも要因の1つと考えられています。
ペットの1年は人間の約4年に相当するため、その分ガンの症状の進行が早くなります。
ペット自身が「ここが痛い」といったような話ができないので、ガンの初期症状に気づきにくいことが多々あります。
定期的な健康診断を行う事で異常を早期に発見してあげることが重要です。
●がんの種類と部位別症状
腫瘍は体内や体の表面など、体中のどこにでもできる可能性があります。
体の表面に腫れやしこりがある場合は、腫瘍を見つけやすいですが体内にある腫瘍は見た目ではわかりにくいため
・元気がなくなる
・食欲がなくなる
・下痢
等といった症状がでてきます。
がんの種類と部位別の症状をまとめると以下のようになります。
がんの部位別症状 | がんの種類 |
---|---|
リンパ管、リンパ管の腫れ | リンパ腫、がんのリンパ節転移 |
口の中のできもの | 悪性メラノーマ、扁平上皮がん、線維肉腫など |
下痢や血便、嘔吐 | 直腸がん、胃がんなど |
血尿、排尿障害 | 膀胱腫瘍、尿道移行上皮がん、前立腺がんなど |
膣からの分泌物 | 子宮がん、卵巣がん |
肛門からの分泌物 | 肛門嚢アポクリン腺がん、肛門周囲腺がんなど |
歩き方の異常 | 骨髄腫、骨肉腫、関節腫瘍、脊髄腫瘍、脳腫瘍など |
苦しそうな呼吸、咳 | 肺や胸腔内のがん |
当院の腫瘍科疾患の治療
●外科療法
腫瘍の外科療法とは、腫瘍を手術によって取り除くことです。他の療法と併用して行う場合があります。
●化学療法
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化学療法は抗がん剤治療とも言われます。外科手術で取りきれない全身性腫瘍や、診 断時にすでに付近のリンパ節などに転移している腫瘍、また悪性度が高く手術だけではすぐ転移してしまう可能性が高い腫瘍を治療するときの療法です。
抗がん剤を投与するこ とで、腫瘍の縮小や成長の遅延を目指します。
●放射線治療
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強力なX線は体の細胞の成長を止めたり、細胞を殺す作用をもちます。これをがん治療利用したのが放射線治療です。腫瘍に放射線を照射することで、腫瘍の成長スピードが緩やかになる、またはゆっくり時間をかけて縮小していく、といった効果が期待されます。
●緩和治療
-
高齢で手術に耐えられそうにない、癌が進行しており完治が困難である、副作用などがかわいそう、などの場合でも、まだ動物のためにしてあげられることがあります。緩和治療は、点滴、食欲増進剤、栄養補給、痛み止めなどを用いて、和らげてあげる治療です。他の治療法と併用しながら行っていきます。最後まで諦めずに治療を行いましょう。
当院の腫瘍科治療の流れ
当院ではしっかりと問診と身体検査を行い、飼い主様の不安と疑問が解消できてからの処置となります。
少しでも不安や疑問がある場合は何でも聞いて下さい。解決できるまで何度でも説明します!
1 初めての来院時
腫瘍は早期発見・早期治療が基本です。
些細なことでも異常を感じたら、早めにご相談ください。
2 検査
獣医師による問診・診察を行い、
必要があれば組織を採取して詳しい検査に出します。
3 治療
検査結果より、確定診断されたがんの種類、体の中での進行度、再発率、転移率などの文献的なデータ、各治療法による予後などをお話しさせていただきます。
動物の全身状態やご家族の意向をもとに、これからの治療方針を話し合います。
4 治療終了
獣医師による問診・診察を行い、
必要があれば組織を採取して詳しい検査に出します。