こんな症状はありませんか
- 嘔吐
- 下痢または軟便
- 食欲の変化
- 腹部がふくれている
- お腹が鳴る
- 痩せてきた
上記の症状に心当たりがある場合は消化器系の疾患にかかっている可能性がございます。
消化器科の病気について
●ワンちゃんで多い消化器科疾患
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胃内異物
特に若い犬に認められることが多く、異物による胃内容物の排出障害、胃粘膜の刺激から、嘔吐が起こります。おもちゃ、骨などの異物はX線検査で容易に検出されますが、くし、布、ビニールなどはバリウムなどの造影剤検査や超音波検査により、異物や構造的異常の有無を検査します。
異物が小さい場合は、便に出るか様子を見たり、催吐を行ったりしますが、場合によっては内視鏡や開腹手術による摘出が必要となります。 -
IBD(炎症性腸疾患)
特に理由がないのに腸に炎症が起こり、慢性的な炎症を引き起こす病気です。
腸に炎症が続くと、食べない、やせる、吐く、便がゆるいなどのほか、お腹に水がたまったり、血が固まりやすくなったりと様々な症状が出てくることがあります。 -
膵炎
膵炎とは膵臓に炎症が起こり嘔吐などの症状が現れる疾患です。
激しい腹部の痛みから、背中をまるめたりうずくまったりする姿勢をとることもあります。また激しい嘔吐や粘液便、下痢などの症状を呈し、症状が激しくなってくると急激に循環不全を呈し、血圧低下、低体温症をおこし、死に至る場合もある病気です。診断は血液検査や超音波検査によって行います。 -
胆泥症
胆泥症とは、何かの原因で胆汁が濃縮して変質し泥状になった胆泥が胆嚢に貯留した状態のことです。
無症状のこともあり、健康診断で見つかることもあります。お腹に超音波を当てて検査をすることで胆泥の貯留を確認します。 -
巨大食道症
巨大食道症とは、食道全体が弛緩して拡張してしまう病気で、先天性と後天性の2つに分けられます。
症状として吐出、体重減少等があげられますが、誤飲性肺炎を続発することがあり、命の危険性を伴います。 -
肝リピドーシス
肝臓に過剰な脂肪が蓄積する猫の病気です。肝リピドーシスは肥満の猫ちゃんが食欲不振に陥った場合に発症することが多いと言われています。したがって、食欲不振の原因となる基礎疾患をしっかりと精査することも重要です。症状は嘔吐、下痢、元気消失、黄疸等が見られます。
治療は基礎疾患に対する治療と併せ、チューブ等を用いた強制的な食餌療法が必要となります。 -
膵炎
猫の膵炎では症状がわかりづらく、嘔吐症状を伴わないケースも多いと言われています。
また、猫は犬と比較して痛みを隠すことが多いですが、抱き上げた時に思わず漏らしてしまったような声で鳴いたり、丸くなって寝ずに変な姿勢で寝ていたりといった痛みのサインも非常に大事です。
こういった症状が見られたら、急性膵炎の検査(超音波検査・膵特異的リパーゼ)をお勧めします。 -
胆管肝炎
胆管とは、胆のうから消化液である胆汁が消化管に放出されるまでに通る管です。
胆のうは袋状の臓器で、肝臓に隣接しており胆汁をため、それを消化管に出す働きをします。
この胆管で炎症が起きた状態を胆管炎といい、さらに肝臓にも炎症が広がった状態を胆管肝炎といいます。
肝臓の病気の中でも胆のうや胆管に関わるものは犬よりも猫に多く、胆管炎・胆管肝炎も猫がよくかかる病気のひとつです。 -
消化管リンパ腫
消化器型リンパ腫(消化器官型リンパ腫、消化器型リンパ腫)は、腸管や腸膜間のリンパ節に腫瘤が発生する病気で、猫に見られやすいリンパ腫の一種です。特に老猫に多く見られる病気でもあります。 嘔吐や下痢といった消化器官の病気に見られる症状が現れ、食欲の低下や体重の減少が見られます。また、寝ている時間が長くなり、だるそうにしているようにも見えます。
●ネコちゃんで多い消化器科疾患
当院の消化器科疾患の診断
血液検査
様々な項目を検査し、栄養状態や肝臓、腎臓などの臓器の状態を調べます。
糞便検査
便の形、色、混入物などを肉眼および顕微鏡を用いて観察することで、消化器症状の原因を推測します。
便は消化器の状態を反映しているため基本的な検査となります。
画像診断(腹部レントゲン検査)
胃、腸管、腎臓などの各種臓器の位置や大きさなどの確認を行います。その他にも、ガスの状態、異物の有無、腫瘤や腹水の有無なども確認します。造影検査を行う場合もあります。
画像診断(内視鏡検査)
全身麻酔下で内視鏡を使用して、口腔内、食道、胃、十二指腸、結腸、直腸などの状態を見て、病変や異物の有無を確認します。
異物がある場合は内視鏡で取り除くことも可能です。
画像診断(腹部超音波検査)
胃、腸管、腎臓などの各種臓器の状態や腸管の動きなどを確認します。
当院の消化器科治療の流れ
当院ではしっかりと問診と身体検査を行い、飼い主様の不安と疑問が解消できてからの処置となります。
少しでも不安や疑問がある場合は何でも聞いて下さい。解決できるまで何度でも説明します!
1 初めての来院時
まずは問診をします。消化器疾患は、犬種・猫種、年齢などによって、なりやすい病気があります。
消化器以外の疾患で似たような症状が出ることもあるので、その可能性も考えていきます。
2 検査
問診により、疾患にあたりを付け、血液検査・レントゲン検査・内視鏡検査、エコー検査など必要な検査を行います。
3 治療
検査によって診断が付くと治療に移ります。
内科治療・外科治療など、疾患によっては、複数の治療法を合わせて行います。
食事やサプリメントで管理できる場合もあります。